My favorite fishing boat shop
KATSUYOUMARU

in Hashirimizu


■重要なお知らせ
2008年5月5日、勝洋丸船頭、小川勝治様が、脳溢血のため、永眠されました。
謹んでお悔やみ申し上げるとともに、船頭のご冥福をお祈り申し上げます。


我が愛すべき船宿
走水港勝洋丸


写真撮影協力 by レントさん




●豊饒の海 東京湾口観音崎周辺 そして走水港
 東京湾の出口、浦賀水道西側に観音崎があります。その観音崎からわずかに北西へ上がった辺りに走水港があります。東京湾は満潮時に湾奥深くまで入り込んだ潮が、干潮時には湾外に向かって一気に流れ出します。そして、観音崎と富津岬に挟まれた地形から、特に下げ潮の時にはその潮が走るが如く見える場所、それが「走水(はしりみず)」です。周辺海域はマダイやスズキ、アジ、メバルと言った魚が棲み、釣趣・食味ともに釣り人達を楽しませてくれます。

東京湾海運の難所、浦賀水道を望む走水港

●頑固船頭頑張る
 走水勝洋丸、小川勝治船長。かつては包丁を握って厨房に立つ料理人でしたが、ある年を境に一念発起して、実父の後を継いで「漁師をやるぞ!」と、包丁を舵に持ち替えたのでした。とはいうものの幼少の頃には学校をさぼっては父親の船に乗り込み、息の合う親子漁船として有名だったとか。特に、今はなくなってしまった延縄の鯛漁はアカユ(ユムシ)の餌採りから仕掛け作り、水揚げに至るまでをこなし、東京湾最後の鯛縄漁の伝統を引き継いでいます。


「お客さん、魚は居ますよぉ〜!」
「遠慮しないでどんどん釣ってよぉ!」

「船の上じゃ俺が一番偉いんだ!」と言い切って憚らない小川勝治船頭



□勝洋丸の釣り物ご紹介(私が体験したものだけですが・・・・・)

★春:メバル釣り(解禁は3月1日)
なんと言ってもコマセを使わない船長特製のサビキ仕掛けで狙うメバル釣りが面白いです。5〜6本鈎の仕掛けですが、1本1本のバケのパターンが全て違います。ヨーヅリのワームカットや各種魚皮、フラッシャーやレインボーティンセルなどを組み合わせたものです。また、シャミ(猫)の皮等もありますが、時期や潮回り、潮色などによってその組合せも変わります。調子の良いときには良型を交えて30尾・40尾と釣れることがあります。例年3月1日から始まってスズキ釣りが本格化する5月中旬まで頃まで狙えます。また、後半の時期にはこのサビキ仕掛けに良型幅広のマアジが食ってきます。一部の常連さんはこのアジを狙って時期を選んで釣行する方も居られるほどです。運のよいときにはこの仕掛けにマダイやスズキまで食ってくるから不思議! 一度やってみると病み付きとなること請け合い。

なお、タックルは50号負荷3.5mぐらいのワラサ竿やマダイ竿(出来ればインナーロッドが仕掛けの絡みが無く使いやすい)にPE5号100m以上を巻いた両軸リールが最適です。イワシメバルや、エビメバルに使用するような錘負荷の小さな竿(たとえば15〜30号負荷のもの)だと、潮流に竿が負けてしまいまい、根掛かり回避の操作が出来なくなるので要注意。


良型メバルが入れ食い!コマセなし、バケの誘いで釣ります。



この型のアジが掛かればスリル満点!



通称「五百円玉」メバル.釣れたメバルの目玉の直径が五百円玉級のの良型!



メバルのサビキ仕掛製作はかなりの重労働なんですよ。


★夏:スズキ釣り(例年5月中旬ごろから7月いっぱいぐらい)
夏はエビ餌のスズキ釣りです。生きたアカエビを軽い道具につけて、船長の指示する棚でひたすら待つ。小さな前アタリを感じたら竿先を5センチ・10センチと水面にむかって自然に下げて送り込んでやり、食い込みの本アタリで一気に合わせます。水面まで約11メートル、このやりとりがたまらなく面白いです。時として魚が水面へと向かってダッシュし、一瞬バレたか? と思うまもなく今度は水面に躍り出て「バシャ!」と鰓洗いをする・・・・・この静から動への急変にどれだけ対応できるかが面白みだと思います。タックルは7尺ぐらいのキス竿や、メバル竿などでも構いません。出船前、船長に棚取りのこつをしっかり聞いてから乗船しましょう。ナイロンライン6号(手バネ竿の場合には鯛ラーヂ、リール竿の場合には一般のナイロンテグスが良い)を50mほど自前で持参すると、棚に合わせた長さで取り付けてくれます。まず最初は、船長の指示ダナを謙虚に守ることが肝要です。
     
船頭曰く「寝てても釣れるよ!」と



をを!良型GETですよ〜!



まだ暗いうちに早々と1本!



スタイルはシーバスアングラーみたいだけどエビの食わせは最高!


★秋:エビ餌のマダイ釣り
何と言ってもこの時期のマダイは、このお店の筆頭看板です。スズキと同じく餌は生きたアカエビです。時によってはシバエビを使うこともあります。スズキ釣りとは異なり、仕掛けは30号の鋳込み天秤に4〜5号のフロロカーボンまたはナイロンのハリスを3.5m。そして2号のマダイ用豆テンヤを繋ぎます。竿はカワハギ竿か、先調子の30〜50号負荷の万能竿が良いでしょう。リールは、ABUの5000〜6000クラス同等品。ミチイトはPEの2.5号から4号程度のものを100〜200m程度巻いて有れば安心です。
この釣りは自分で底からの棚をとります。スズキのようにアタリがあって送り込むのではなく、ちょっとでも異変があればリールを高速で巻きつつ竿を一気に持ち上げて合わせを入れてやります。しっかりと連続した引き込みがあるまで、ガッチリと合わせを入れないと巻いている途中で「ふわ?」っと軽くなってしまいます。後悔先に立たず。アワセはしっかり入れましょう。

そして、勝洋丸は、手釣りの海老餌鯛釣り「タテ釣り」の入門船宿としても貴重な存在です。船頭は通常、タテ釣り道具を下ろしながら船を操船しています。船頭自身も道具を出すことで、海の中の状況を常にイメージして、お客さんに何とか本命を獲らせようと頑張っています。

※タテ釣り入門については、いきなり道具を持って行っても出来ない場合があります。船頭とよく相談をした上で、トライしてください。

 
船頭はいつもだいたいはタテ釣りです。たまに竿釣りもやってます。

  
タテ釣りで仕留めた2.4キロ


リール方式(鴨居式)で仕留めた
この日の貴重な船中1枚!




タテ釣り用テンヤ道具




横須賀の鯛は天下一品!  



■■優しい女将さん 小川洋子さんのご紹介■■

●頑固船頭に内助の功

釣り船宿は女将さんで決まる! と、言っても過言ではありません。船に乗れば「俺が一番偉いんだ!」と豪語する船長も、陸に上がればなんとやら。女将さんには頭の上がらない部分も多いようです。 何と言っても楽しいのが船に乗る前、降りた後。勝洋丸のメインターゲットは夏場から秋に掛けてのスズキやタイですから、必ずしも船中全てのお客さんに平等に釣れるということはありません。中には私のように何度通ってもなかなか本命が上がらず、悲しい思いをしている者もいるのです。が、釣り終えて店に戻ると、待っているのは女将さん特製の朝御飯。定番の焼きおにぎりに暖かい味噌汁、そして味わい深いお新香をボリボリとかじるうちに、何時しか思いは「よし、次こそは」と元気が湧いてきます。美味しい朝ごはんが終わると、釣れなかった人へのお楽しみタイムがあります。船頭が釣ったスズキ・タイは、釣れなかった釣り人が阿弥陀くじで抽選して、当たった人が持ち帰ることが出来ます。もちろん釣り人の心理としては「自分で釣った魚じゃないから」と、遠慮する方も居られますが、折角のお魚ですから、当たったときには遠慮なく戴き、おいしく戴きたいものです。 早朝わずか4時間の勝負と、乗る前・降りた後のそれぞれ1時間が又楽しいお店、それが走水勝洋丸です。


よ:つれなかったよぉ
女将:また良い日もあるわよ!




静かな佇まいの走水港



釣り談義や様々な世間話で盛り上がる店内



行いがよければ必ずいいことがあります!

■走水勝洋丸:横須賀市走水7−942−5  電話 046−842−5532
※完全予約乗合ですので必ず事前にお店へ電話を入れて確認して下さい。
周年早朝出船のお店ですから、問い合わせ・予約の電話などは午後7時以降はひかえるようにして下さい。
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