アンドンビシのアジ釣り
モデルはひじきさんです! イラストをクリックするとタックルが表示されます。

色々な船宿のホームページを見て回りましたが、仕掛けと簡単な釣り方までは説明されているものの、初めての人には分かりづらいかな? と思ったので、私なりにできるだけ詳しく書いておきます。

1.   道具立て

1)竿

最近では2.1m前後のものが標準と考えます。一押しはワンピースで、最も手頃なのがヤマカワというメーカから出されているムーチングビシという竿です。値段も安く使いやすい竿でバレが少ない胴調子のものです。この2.1mがあれば、アマダイやオニカサゴにも流用できます。

2)リール

手巻きリールではなく、電動リールをお勧めします。手頃な値段で最初の1台を購入するなら、後々幅広い釣りに使用できるものとして、第一候補はシマノ電動丸3000H。PEラインは5号を300〜400m巻いておきます。シマノ電動丸3000Hは、きっちり締め込んで巻くと400m巻き込めるので、ライトタックルのクロムツ釣りなどにも使えるので便利です。

2.   仕掛け

1)片天秤

腕長30〜40cmぐらいで、あまり軸の太くない柔らかめのものがおすすめ。ベストはステンレスよりも燐青銅のもの(なかなか売ってないけど、葉山鐙摺港の愛古堂では取り扱っています)。

2)アンドンビシ

地域によって号数、カゴの目が異なりますが、万能なのはヤマシタのポリビシ。錘号数も着脱可能なので80号から150号ぐらいまであります。船によっては船頭がこだわりを持っていて、船で用意したものを貸し出す場合があります。天秤+アンドンビシは、ほとんどの船が無料で貸してくれる(ただし根掛かりなどで無くすと実費)ので、借りてしまうのが手っ取り早いです。

3)クッションゴム

これも船頭によっては「使うな!」と言う場合もありますが、もし使用するならロングライフクッションのφ1.0−30cmがおすすめ。新しい物を使用するように心がけましょう。使用前には必ず一旦伸ばしておきます。

4)ハリス

フロロカーボンの2号〜3号。ここ数年、東京湾・相模湾いずれも好調なので、仕掛けの消耗を少なくして手返しを重視するなら3号で大丈夫。私は最近、2.5号を多用しています。2号未満の太さだと、クセがついたり、傷がついて脆くなったりするので、最低でも2号が限度だと思います。

5)鈎

最近の市販仕掛けは、ほとんどが金ムツの9〜11号を使用したものが多いですが、私はあまり使いません(ヒネリが入っている鈎が嫌いなので)。一押しはオーナーのビシ鈎、号数は12号前後。個人的には重め・太めの13号を多用しています。また、最近がまかつから出たアジ船頭という鈎は細軸ながらなかなか感じの良い掛かり方をします。

6)鈎数

浅場で小型が多い時には3本鈎でもかまいませんが、先鈎1本、枝鈎1本の2本鈎仕掛けのほうが、トラブルが少なくて良いと思います。数釣りは鈎数ではなく、手返しでこなすもの。せっかく大アジが掛かって、水深90mを巻いている途中でサバが掛かってアジが振り落とされては仕方ありません。

7)ハリスの長さ

このハリスの長さ、1.8〜2mという表記が多いのですが、実際には何で決めるか? 船縁から水面までの高さプラス30cm程度が理想。コマセ桶が船縁の外に出せるようにしてある船が多く、コマセ桶の縁にアンドンビシを引っかけて、天秤の腕の先端から垂れ下がった仕掛け、特に枝鈎についた魚が水面から飛び出さず、しかも余裕をもっているぐらいが良いです。自分でタモですくう場合、こうしておくと一荷で魚がかかった場合でも簡単にすくえます。

3.   釣り方

1)釣場に着くまでの準備

・出船前30分ぐらいには船に乗り込み、竿にリールを装着、ミチイトを引き出しガイドに通し、先端にスナップ付きヨリモドシを装着しておきます。

・ロッドキーパーは、出船直前に乗客密度による座席の間隔調整を船頭から指示される場合があるので、船頭に確認してから出船直前に装着します。

・冬場など、コマセ桶の中のイワシミンチが凍って固まっている場合があるので、竹ベラ・スプーンなどでよくほぐしておきます。

・片天秤・アンドンビシ・クッションゴムまで接続し、ミチイト先端のスナップ付きヨリモドシに接続しておきます。仕掛けは釣場に到着する直前に取り付けます。       

2)釣場に到着したら

・通常、コマセ桶を船縁の外側に出しておけるように、コマセ桶のホルダー(ステンレスの輪)があります。船が航行しているときは、桶は船縁の内側にしておきますが、釣場に着いたら桶を船縁の外側に向けて出しておきます。

・仕掛けのスナップをクッションゴム先端のヨリモドシに引っかけ、しっかり止めます。仕掛けを引き出し、ミキイト・ハリスの巻きグセをしっかり伸ばしておきます。

・付け餌は通常、3〜5ミリぐらいのイカの角切りを食紅で染めたアカタンです。これを鈎に刺しておきます。刺し方は、アカタンの中心に針先を刺して、鈎のフトコロに着いていれば良いです。ただし、サバが多いときにはアカタンを一切着けず、カラバリで狙い場合もありますので、船頭の指示に従ってください。

・コマセカゴに八分目ほどのイワシミンチを詰め、必ず竹ベラで下側(錘側)に1センチほどの隙間を作って、ミンチ全体をカゴの上に寄せるような感じにしておきます。        

3)合図があったら

・船縁の外側に出しておいたコマセ桶にアンドンビシを引っかけて、テンビンの先端から仕掛けを水面に垂らします。

・潮流で仕掛けが引っ張られるのを待って、十分に引っ張られたらリールのクラッチをフリーにして、アンドンビシの上のミチイトをしっかり握り、徐々に握りをゆるめつつ静かに水面にビシを着水させます。

・ある程度アンドンビシが水中に沈み、仕掛けとミチイトが絡んでいないのを確認したら、握っていたミチイトを手放して、リールを親指で軽くサミングしつつ、キーパーから竿を外して脇にかかえ、穂先を水面に向けて一気に仕掛けを落とします。サミングはキツすぎず、軽すぎずで。

・ビシが着底したらリールのハンドルを回してクラッチを繋ぎます。ハンドルを回して穂先にテンションがかかったところで、穂先を上げ、ビシを50cmほど持ち上げ、再び穂先を下げて着底を確認します。2回ほどやってもいいです(でも素早く行う)。これで潮流によるイトフケが取れます。

・穂先を下げきってイトフケを十分とったところから、指示ダナマイナス1mのところまでビシを巻き上げます。

・ 指示ダナマイナス1mまで巻き上げたら、穂先をキュッと思い切って振り上げ、コマセを出します。2回ぐらいコマセを振って穂先を下げ、そのままゆっくり目線の上まで穂先を振り上げて「誘い」の動作をします。※コマセを振る動作が、初めての人はとかく遠慮気味になりがちです。コマセが効かなければ自分の仕掛けの回りにはアジは寄ってきません。周囲で数を上げている人の一連の動作を観察しつつ、コマセはある程度思い切って、シャープに撒きましょう。          

4)アタリがあったら

・誘い上げている途中でクンクンクンと穂先にアタリが出たら、そのまま誘い上げる速度を速めず、もう少し誘い上げます。さらにはっきりとした魚の引きを感じたら、穂先を下げず、リールのハンドルを巻きつつ、(要は糸をゆるめずに)竿を水平より少し上ぐらいの位置まで下げます。※リールを巻かずに穂先を下げると、ばれてしまうことがありますので要注意。

・2〜3m、ハンドルを手で巻いたら電動巻き上げのスイッチをONにします。※リールのドラグはギチギチではなく、時々滑る程度に調整しておきます。特に波が高い日は船の上下動によりビシが引っ張られたら滑るぐらいでかまいません。※ただし、シマノの電動丸シリーズの楽釣モードを使用する場合には、ドラグはきつめに締めておきます。楽釣モードでドラグが滑ると、機能を十分に引き出せないばかりか、かえってバラシの原因になります。

5)魚の取り込みまで

・竿の構える位置は先ほどと同様、水平よりちょっと高めでキープし、引き込みが強い時だけ、気持ち穂先を下げる程度。あとは、波が高い日は、船の上下動に合わせて、穂先を上下しつつ、引き込んだ時以外のテンションがほぼ一定となるようにやりとりします。これって結構根気がいります。結構道具が重たいので、腕が疲れてきますが、出来るだけリラックスして、自分にとって楽なフォームとポジションを見つけてください。

・電動リールの自動停止は、最初水面下5mぐらいで止まりますので、止まる直前からハンドルに手を添えて、ビシが水面まで来るまで手巻きで巻いてきます。※これ以上巻き上げると、次の動作で竿を立てた時に魚が水面から飛び出してしまい、バレてしまうことがあります。

・竿の構えは先ほどと同じ。ビシが水面直下に来たら竿をゆっくり立てて、ビシをつかみ、コマセ桶にビシだけ掛けて、テンビンの先端を出した状態にします。※竿はキーパーに立てかけるだけでかまいません。

・アジの口にかかった鈎の掛かり具合と魚の大きさを見て、比較的小さなアジで上あごにしっかりかかっていれば魚の動きが止まったところで抜き揚げます。大きめのアジならタモを使ってすくいますが、必ず魚は頭からすくい、尻尾からタモで追うようなすくい方はしないように。

以上が一連の流れですが、時にはサバがかかったり、巻き上げる途中で魚がバレてしまったりと、なかなかスムーズな流れで手返しよくは行かないものです。とにかく場数を踏んで、掛けたアジを確実に取り込めるように練習してください。

最初のページに戻る           このページのトップに戻る