2004年7月12日:思い通りにはなかなか・・・

 7月12日。選挙も終わりましたね。何だかぱっとしない選挙だったですねぇ・・・

 さて、今回N医大の入院でわかったことは、腸管嚢腫様気腫症という、希な病気です。これは、腸壁の中に多数の気泡のようなものが出来て、これが腸管内、時には腸の外にガスを産生するようです。原因は色々あるのですが、大学卒業直後に働いていた機械部品メーカーでトリクロロエチレンを使用していたことが原因かも知れないとも言われています。俗称クロロセンという有機溶剤ですが、僕は当時、防衛産業に関わった製造会社で、入社から1年間は現場で組み立てや検査をしていました。部品点数数百点で組み立て完成まで1ヶ月ぐらい掛かる製品なんてのもありました。精密機械ですから、組み立て前には金属部品を有機溶剤で洗浄するんですが、生産ラインを組むほどの製造現場ではありませんから、作業者ひとりひとりが作業テーブルについて手作業で製作指示書に従って組み立てをしていきます。部品の洗浄は各作業員の作業テーブルに、丁度眼鏡屋さんの店頭にサービスで置いてあるような小型の超音波洗浄機があって、そこにトリクロロエチレンを入れて超音波を掛けて洗います。溶剤は蒸散もするし、部品の出し入れも素手でやっていましたから、溶剤に曝露されていた時間も結構ながかったのでしょう。ですから、影響が出てもおかしくないのかもしれません。しかし、もう18年も前の話ですからね、直接の原因かどうかはわかりません。

 先日の小腸内視鏡の検査では、スコープを通した腸管のエコー検査もやって、上皮下に気泡が確認されている部分の組織を生検鉗子で切り取って、現在組織検査に回っています。この結果が出るまでには1週間程度かかるそうです。

 今日の昼からようやく食事も常食です。午後のお腹の張りは相変わらず毎日出ていますが、対症療法薬として、ワゴスチグミンという、副交感神経刺激剤を処方してもらい、お腹が張るときに腸管運動を促進できるようにします。

 僕が「ミヨシ」で病気について「完治・完治」という言葉が重い、と書いたのも、結局は上記のように、仮に検査で進展があったとしても、珍しい病気であるため、治療実績も蓄積されて居らず、対症療法しか存在しないからなのです。

 現在、健康である人も、やはり「もしも」の時を考えておいた方が良いでしょう。掛かった病気が治る病気かどうかもわかりません。また、病気の種類によっては長い闘病を強いられることもあるし、病気そのものが非常に苦痛を伴ったり、あるいは、病気を調べるための検査が苦しいこともあります。入院費、治療費を考えると、肉体的な面だけでなく、経済的な面や、精神的な面での影響もあります。病人本人だけでなく、家族・両親・友人・知人にも心配・迷惑を掛けることにもなります。

 病気は治るもの  病人本人はそう思って内心、頑張っています。けれども、あくまで「病人本人のペース」が主体です。運・不運もあるでしょうが、やはり病気の想定はしておいたほうがいいなあと、お勧めする次第ですね。

 さて、退院は水曜日の予定。組織検査の結果は、来週外来で聞きに来ます。

 つづきはまた。

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