○2003年12月6日:主治医との協議

 おはようございます! 今日は気合いを入れてごあいさつです。

 今朝も寒い朝です。お腹の病気に冷えは禁物ですから、ユニクロのフリースライナのついたコートにモンベルのフリース帽をかぶり、お腹には綿の腹巻き、そして首にマフラー巻いて朝の一服です。冷やしちゃいけないからと、動かない、外に出ない、これではいけません。やはり朝の一服が今日一日の活力源です。

 昨日、田無の実家から親父・おふくろが来てくれて、そのときにマフラーを持ってきてもらいました。このマフラー、実は今から25年前、その当時つきあっていた彼女から誕生日のプレゼントでもらったものでした。手編みのマフラーです。随分長持ちして、今でも十分使える代物です。

 そうそう、思い出しました。25年前の僕の虫垂炎。丁度僕が虫垂炎になる1ヶ月ほど前、その彼女が同じ虫垂炎で入院したんです。一月後に僕が虫垂炎になったので、友人からは「盲腸ってやつは移る病気なのか」と、随分冷やかされました(笑)

 さて、昨日の主治医K外科医長からの説明と協議についてですね。

 一昨日のCTで腸の浮腫がなかなか取れないという所見がありました。CTの画像で、何カ所か小腸を輪切りに映した部分があって、腸管壁と中空部分が見えるわけです。中空部分はもし問題ない場合には真っ黒に写ります。しかし、腸管壁から中心部にむかって、ぼんやりと灰色になった部分があって、これが浮腫です。三重丸をイメージして下さい。一番外側が腸管壁、その内側が灰色の浮腫の層、そして内側が黒い空洞部分、そんな感じです。当然空洞部分が狭い訳で、固形で大量の食物が来れば詰まりやすいですね。

 アンギオでの濃染像所見が、虚血性腸炎の疑いということで、オパルモンという血栓に効く薬を暫く飲んでいましたが、自覚症状としてあまり改善しないと訴えて、昨日でこれを打ち切ってもらいました。炎症性腸疾患という視点での治療を開始することになりました。炎症性腸疾患というと、著名な病気としてはクローン病っていう難病があります。この病気、ネットで調べると、随分厄介な感じですね。興味のある人は検索してみてください。

 だからと言って、僕がクローン病である、あるいはその可能性が高い、という訳ではありません。しかし、昨日から開始した治療は、クローン病に対処する薬や食事療法とほぼ同じです。

 薬はペンタサという、炎症性腸疾患の治療薬がメイン。そして食事はこれからしばらく下記のようになります。

朝:病院標準の三分粥食全量

昼:病院標準の三分粥食半量+エンシュア経口栄養剤250cc1缶

夜:エンシュア経口栄養剤250cc2缶

これについては、僕自身がK外科医長の説明を元に、主体的に決めた方法です。もう一つのリクエストとして、抗生物質の処方をお願いしました。炎症性の腸疾患ということで、炎症の原因が何らかの細菌やウイルスを想定した場合、効果があるのではないか。以前通院していたT消化器内科で、始めて小腸ガスのX線所見が出たとき、ホスミシンという抗生物質を処方してもらい、効果があったことを話しました。これに同意してもらい、ホスミシン1日4回出して頂くことにしました。本当はテトラサイクリン系のミノマイシンを希望しましたが、とりあえずはホスミシンでスタートです。K外科医長は、ペンタサに加えてステロイドの併用を提案されましたが、これは今回は断りました。

 説明のなかで、可能性は低い、とされながらも、クローン病の病名が出てきたのは、正直ショックでしたね。でも、後になって再びネットでクローン病の情報を読み返して、自分としては「まず違うな」と、思いました。そう言う意味では楽観視してます。

 そして、とりあえず薬は昨晩から開始。まあ、だいたい薬の変わり目っていうのは、暗示効果もあって、効くような気がするものですけど(前回のオパルモンもそうだった)、僕は抗生物質を飲んだときの独特の体感ってのがあります。微妙に体が枯れた感じというのでしょうか。もう一つ、顕著な効果が出ました。ガスの減少です。お腹の張りの殆どの要因が、実はガスなのです。これが劇的に一晩で減少しました。ガスを産生するものって、やっぱ想像するのは悪玉菌のようなものですね。これには抗生物質は当然効くでしょう。ガスでお腹が常に張った状態ですと、浮腫みも取れないだろうなと想像します。ガス圧が下がればお腹も楽になります。不思議と、ガス圧が下がると、便通も良くなる。今朝の一服前の便通はすっきりでした。残っていたガスも出てしまい、随分軽くなりました。

 経口栄養剤のエンシュアは、口から食べ物を取れない患者さんが経管、つまり鼻から通したチューブや、病気の状況によってはお腹に穴をあけて直接腸にチューブを挿して供給する経管栄養剤としても使われるものです。牛乳をベースに高カロリーの栄養素が含まれ、さらに腸内での消化負担を軽減するため、あらかじめ半分消化したような状態になっています。

 今更ながら、絶食療法というのはかなり辛いわけですが、延べ3ヶ月のうち1ヶ月、絶食をしていたため、とにかく体重が戻りません。こういう方法もあったよな、と、自分でも思いました。腸閉塞には即絶食というのが一般ですが、必ずしも絶食ばかりではなく、こう言った半消化の経口栄養剤で対処出来るフェーズもあるなあと思いました。エンシュアの存在は、小腸造影の検査入院を予定したときに既に知っていましたが、考えてみたらこういう使い方もあるなあと改めて思った次第。患者が主体的になる場面ですね。

 患者自身も色々行きつ戻りつ、悩みながらですが、やはり主治医のK外科医長も、随分悩まれているだろうなと思います。確定診断が出来ない病気というのは、世の中に色々あります。原因が特定出来ない病気には、様々な対症療法をやっていくしかない。でも、その中で原因が見つかっていく、ということもあると思ってます。一方通行で医師から言われたことを漫然とやるのではなく、患者も可能な範囲で情報を収集し、こんな事は可能でしょうか? こういう病気の可能性はありますか? と、ストレートにぶつけてみる。専門家の立場としての医師が、その患者の意見に対して専門的見地から判断を加えつつ、双方の同意の下で治療を進める、ということで、現在、僕自身は納得できる医療を受けられていると思っています。

 数日前に書いたとおり、「マメぞうさんのと〜る」のやり方で、方向を見いだして行きたいと思います。目標通り、12月10日前後の退院で進めます。経口栄養剤に手応えがあれば、退院後もこれを使ってコントロール出来るとのこと。実は、K外科医長からも、通院で様子を見ることも可能、と言われました。極論を言えば、同じ対処を、自宅でやったって良いと。浮腫みが取れればこれ幸い、緩解ということになるわけです。

 病院に無駄に長居をするつもりはないので、今日のレントゲン、来週再びのCTで問題無い、あるいは良い方向に向かったときには、予定通り退院します。その後は楽しみにしていた湯治ですね。

 昨日、親父・おふくろが帰ったあと、夜7時頃、友人のH君が見舞いに来てくれました。3度目のお見舞いです。彼も仕事が大変なようです。まあ、お互い40歳を過ぎて、良い歳になったもんですね。病気の悩み、仕事の悩み、家庭の悩み、みんな色々あるでしょう。しかし、気持ちはやはり前向きにね。

 今日も午後は運動をかねてちょっと外出です。そして夕方、釣り仲間で、以前葉山愛正丸で上乗りをやっていたピヨちゃんが流山から遠路見舞いに来てくれると昨日メールがありました。楽しみに待ってます。

 つづきはまた。

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