2007年7月24日:鹿嶋港不動丸の夜ムギイカ釣り

「イカはお化け」と称されるように、前日まで釣れていても、自分が出かけた当日はいきなり不調になり、貧果に終わることしばしば。また、ある程度良い日でも、ベテランに大きく水をあけられて自分は恥ずかしい結果になったり。イカ釣りにあまり良いイメージがありませんでした。

また、以前には、どうも魚と違って、釣趣もイマイチという先入観があって、食わず嫌いでイカ釣りを避けていた時期もありましたが、これはどんなに貧果であっても、少しでも釣れた時にはどんな種類のイカでも「ガシっ!」とした手ごたえで、乗りがかなり明確に伝わることもわかりましたし、上げて取り込んだときの感動は、魚に負けず劣らず。特にスルメイカ・ムギイカに関しては、ある程度足や身がしっかりしていることもあって、多少強引にやっつけても、乗りさえすれば取り込める確率も高いです。

そんなイカ釣りですが、5年ほど前、東京湾の金谷沖で、ムギイカ89杯という爆釣をしたことがありました。ある程度足の速い群れながら、群れの規模が大きかったのと、船団の移動の様子をみていると、ある程度群れの動きが船頭にも読みやすかったのでしょう。回りなおして仕掛けを投入すれば、8本ツノのブランコ仕掛に多点掛けが連続して、とにかく豪快・爽快・愉快の3拍子の釣りでした。

今シーズンも金谷沖で好調な時期がありましたが、残念ながら2年ぶりの持病悪化で、身動きがほとんどとれず釣りはおろか、仕事ですら満足に出来ない状況だったこともあり、ネットで釣果情報をチェックするだけで、釣りに行きたいという気力すら失せるような状態でした。

6月に入って、体調が好転しはじめて、ようやく近場・短時間で済ませられる勝洋丸では久しぶりにエビ餌の曳き釣りで3キロ弱のスズキを釣ってきました。仕事も復活させて、半年振りに甲信越方面の地方出張にも出かけて、戻ってきたのが先週金曜日。

その直後ぐらいから、茨城県鹿嶋沖のムギイカの釣果が俄かに上昇してきていました。半夜の釣りで、しかも釣果が半端じゃなく、何バイなどという単位ではなく、上位者は3束・4束という、驚異的な釣果です。こういう釣果が2日・3日と続き、こうなるともう、居ても立っても居られなくなり、7月25日、鹿嶋港の不動丸から、久しぶりのムギイカ釣りに出かけてきました。



平日火曜日ながら、20トン級の大型船2隻出しの大盛況で、桟橋に到着したときには2船ともかなり席がうまっていましたが、博文船長の18号船右舷のミヨシ3番に入れてもらって準備開始です。

出船は午後5時半。夕日を眺めつつ、緩やかなうねりをドンブラコドンブラコと越えながら、ひたすら北北東の方角に走り続けます。



しかし走れど走れどなかなか釣り場に到着しません。日が落ちてからは柿の種をツマミにビールです。到着するまでに2本飲んじゃいました(^^;)



なんと1時間15分ぐらい走って、ようやくイカ群探索開始。周囲の僚船も早い船は集魚灯を灯して釣りを開始しています。

パラシュートアンカーを打って、ようやく「やってみて〜」と開始の合図がありました。
「50mから70mだけど、活性が上がってきたら棚が浮くから、どんどんやってみて〜」との指示。

今日の仕掛けは苦手な電動直結方式。以前、茅ヶ崎一俊丸からの仕立てで、洲崎沖のスルメを電動直結で狙ったことがありますが、折角乗りをキャッチしても、上げてきて取り込む段階で仕掛けを緩めてしまい、ことごとくバラシの連続で、釣果は一桁という泣きが入るような結果でしたが、船長いわく「サバが結構いるから、直結のほうが邪魔されなくていいよ。」とのことで、直結仕掛けを選択。また、洲崎じゃ錘が120号と重たいですが、鹿嶋沖の夜釣りだと、棚が浅く、パラシュートアンカーによる流し釣りでもあり、道糸がしっかりと立つこともあり
潮がよほど早かったりしなければだいたい80号でOKなので、扱いは難しく無かったです。使用したロッドも、ダイワのディーオ180(1.8m 錘負荷80−180号、今シーズンよりビシアジ用に導入した竿)と、短めだったので、この点も操作性には支障なく出来ました。一回だけこの仕掛けにゴマサバが掛かってしまいましたけど、この日はこの仕掛1本で一日通して出来ました。錘も船に転がっていた小田原型80号を拝借して、オマツリや仕掛切れすることなく通せたのは上出来でしょう。



それから、電動直結の場合、投入機が要りません。慣れてくると、あの危険なカンナですら上手いことかわしながら、掌の中を滑らせながら投入できるようになります。愛用の折畳み台車を座席と船べりの間に引っ掛けて、船にあったマットを巻きつけて、丁度良い仕掛けレストになってます。

さて、釣り開始当初はアタリというか乗りが全くありません。しかしながら自席の真後ろの操舵室の魚探を覗き見ると、イカ群れ特有の白い反応表示が40mから60m付近に結構しっかりと出てます。この時点では単にイカの活性が高くなかったのかな?

開始20分ぐらいでミヨシの手釣りのベテランさんが2杯掛けました。その直後、自分も63mで乗りをキャッチ! 何とか直結仕掛を緩めず取り込んで、2杯上げました。しかし、まだイカの活性は低いようで、開始1時間での釣果は20cm前後のニセイカサイズが12杯です。



1尾だけ余計なものが入ってます(^^;)。直結仕掛なのにゴマサバが・・・(^^;)

で、どうもこの場所イマイチのようで、博文船長、「ちょっと上げて下さ〜い! サバが多くてね、ちょっと場所換えしますね〜」と、5分ほど東へ移動。場所に移動してから、怒涛の爆釣が始まりました。乗りダナも広範囲になり、浅いところでは20m以下、下は50m・60mでも乗ってきます。多点掛けを狙うなら、ある程度深みに仕掛を落として、まず1杯掛ける。掛かったら構わず強引に電動を中速で巻きながら、シャープにシャクリを続けます。追い乗りすると、しゃくる度にズシン・ズシンと重量感が増してきて、腕だけではしゃくることが出来ないぐらい重くなり、しまいには膝と腰まで使ってしゃくり続けます(ラジオ体操第一の手足の運動のごとく(笑))。「もういいだろう」というぐらい、重量感を感じたところで、限りなくハイスピードMAXに近い高速気味に設定し、ロッドはホルダーにガッチリと装着。残り5mのところで少し減速し、最後の船べりまで1mのところで巻き上げに段がつかないよう、ハンドルを2回回しつつ竿を立て、水中ランプを掴み、幹糸をキーパーの糸掛けにしっかり引っ掛けて、慎重に仕掛けをたぐります。

8本ヅノパーフェクトはなかなか難しいものの、イカの活性絶好調で、だいたい5〜6点の多点掛けの連続で、循環水たっぷりのイカ桶は見る見るうちに埋まっていきます。


午後9時半の段階で中型桶満タンの状態。だいたい90杯程度入ってました。

怒涛の爆釣を十分に堪能して、時計を見ると午後10時。ちょっと休憩で、遅い夕食。稲荷寿司3つをペロリと平らげて再び釣り復帰。このあとは少しゆっくりめのペースで釣りましたが、イカの活性は引き続き高く、あんまり考えなくても時には8本ヅノパーエフェクトも交えての多点掛けの連続。2杯目の樽も恐ろしい勢いで次々に埋まっていきます。


10時10分の段階。もう追釣30杯以上!

周りのお客さんも、ガンガン釣りまくってます。ミヨシのベテランさんは手釣りですね。


僕の右隣のお客さんはLTロッドで電動直結


左隣のお客さんも多点掛けの連続で大忙し



さて、午後11時前になって、ちょっと気になることが・・・

持ってきたクーラーはダイワライトトランクという、まあ、ある程度の大きさ(表示容量30リットル)があるのですが、樽2杯分のイカが入るのだろうか?

ということで、釣果を数えながら、樽からクーラーに移し変えてみました。

いやぁ、危ない危ない。氷を2袋入れてあって良かった。もうこの時点で完全にクーラー満タン。釣果は161パイというとてつもない量です。

氷袋を取り出してこの数ですからね、持ち上げることすら大変な釣果です。


ここで思い切って早仕舞い。道具を片付けて、飛び散ったスミを流水で洗い流して、さっさとオープンキャビンの座席へ移ってひと寝入りです。

船長から終了の合図があったのがその50分後、夜11時50分でした。実際に釣っていた時間は実質4時間ちょっとでしたが、1時間で平均40パイ。活性が上がると、1時間100パイも十分可能な状況でした。

帰宅後、不動丸のホームページをチェックしたら、この日の釣果は110〜460パイだそうです。竿頭は4束っすかぁ(^^;)。恐れ入りました。でも、配り先があって、もっと大きなクーラーを持参していれば、僕でも300パイは十分取れそうな、そんな一日でした。

再び1時間強、鹿島灘を走って、港に着いたのは翌25日の午前1時前でした。


お店で追加の氷を貰って補給。帰路はのんびり走って、途中、酒々井PAで10分休憩。実家には明け方の4時前に到着しました。

昼、烏賊素麺を作って食べましたが、半分透き通ったあめ色のムギイカの烏賊素麺は最高の食感です。

※捌いた後、ラップをかけて20分ほど冷凍庫で冷やしておくと、食べるときのヒンヤリ感がたまらない!

その他、おふくろが初めて烏賊飯つくりにトライ。これも夕飯時、ビールのツマミとしていただきましたが、少し濃い目の味付けにしてもらって大正解。ビールには少し濃い目の味付けがぴったり。

なお、現在、当家のチルド室で塩辛仕込中です。ザルつきタッパーで、水気を下に落としながらやると、水っぽくなくなります。また、仕上げに入れるお酒ですが、僕はたいて泡盛を少量使います。香りがよく(好みですが)度数が高いので、水っぽくならず、具合が良いです。

ぜひお試し下さいな!

さーて、次は何を釣りに行くかなぁ?